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よくいただくご質問


 
「中学受験で、子供を塾へ通わせているんだけど、国語の偏差値が上がったり下がったり・・・。どうして?」


 中学入試問題の国語の特性と、その問題構成に関係があります。
 極端な例ですが、もしも、漢字、語句(文法)が5割、文章題(10代の少年少女向けの文章)5割が毎回出題されるようなテストであれば、おそらく、偏差値の上げ下げの幅も少ないだろうと思います。(漢字、語句関係の勉強を丹念にできていれば。)
 しかし、実際の入試問題では漢字、語句の問題より、文章題の方が、はるかに配点が高く、なおかつ大人向けの文章(説明文、随筆文)が出題されるため、必然的に塾で行われるテストもその出題傾向を反映したものになります。(漢字、語句が2〜3 割、文章題が7〜8割)

 ですから、塾のテストで良い成績を出すためには毎回、異なる文章題と真剣に向き合えるだけの語彙力、文章の細かいところまで気づく力が必要です。問題によっては精神年齢の高さも必要でしょう。さらに、その成績をキープするとなると志望校合格への強い意欲、決意、落ち着きのある心が培われていなければなりません。
   
 受験学年といっても10〜12歳。世間一般的なモノの見方も良く分からない年齢の子供が大人向けの文章を読み、内容を理解し、問題に対処していかなくてはいけないのです。ごく一部の早熟な小学生は例外として、ほとんどの小学生にとって文章の中には、まだ理解できないものがあって当然だと思います。
  
 入試本番までに十分な演習量をこなし、あらゆるテーマの大人向けの文章にも対応できるだけの語彙力、考え方、細かいところまで気がつくことができる力を身につけることができるよう指導していきます。

 

 「問題文(本文)に線を引きながら読んだ方がいいの?」


 線引きをしながら文章を読むことの目的は大事と思われる箇所と、そうでない箇所との差別化であったり、後で問題を解く時の目印としての役割、また言葉の見落としを防ぐという目的もあります。事実、国語の成績が良い生徒は、おおむね本文に線を引きながら読んでいるようです。

 ただ、私の指導経験上、国語がよくできる生徒は線引きをしているから優秀なのではなく、ひとつひとつの言葉を丹念に読みとり、その意味を的確に汲み上げることができる語彙力がまずは前提としてあります。だから、問題で何を尋ねられているのかを理解しその答えの根拠を本文中から見出し、あるいは線引きした箇所が問題の答えの根拠となりうることに気づき、正解へ導くことができるのです。
 
 語彙力がまだ十分に養われていない生徒が、線引きをしながら読んだところで、その行為と理解は乖離(かいり=そむき離れること)しており正答率を上げる原動力にはなり得ません。むしろ、読んでいる最中にどこに線を引けばいいのか思い悩み、余計な混乱、時間のロスを生じさせてしまうだけです。(正答率を上げる方法については「国語力を伸ばすヒント」、「指導方法」をご覧ください。)
 

 また、国語は客観的に文章を読むことが大事ですが、国語が苦手な生徒が線引きをしながら読むと、どうしても主観的要素が入ってしまうのです。それほど重要でもない箇所に線を引き、そこに問題の答えの根拠を見出し、答えを間違えてしまったという例を私は何回も見てきました。
  
 言葉を見落とさないように読むのであれば指、もしくは鉛筆の芯のない方でなぞるように読んでいく方が良いと思います。線を引くのであれば、例えば説明文だったら、「このように〜」などのまとめ表現や、「私が言いたいのは〜」「〜が必要(大切)である」「むしろ〜」のように、明白に重要であることがわかる箇所にのみ線を引いたほうが無難です。また、本文ではなく、問題文の「まちがっているものを選びなさい」「○○字以内で答えなさい」「漢数字で答えなさい」などの設問条件をよく見落としてしまう受験生は、線を引いたほうが良いでしょう。


 「子供が、全然、記述を書けなくて困っています。返ってきたテストの答案を見ても記述で書くところだけが真っ白なんです。」


 国語では「○○の気持ちを○○字以内で答えなさい」などの記述問題が、よく出題されます。年々その傾向が高まってきていますので、記述問題に対処できないと、中学入試の国語は突破できないと言ってもいいと思います。

 一口に記述問題と言っても、大別して次の3種類あります。
@本文引用型(本文中の表現を引用しながら、足りない部分は自分の言葉で加筆して答える。中学入試の記述問題で、最も出題頻度が高い。)
A自由記述型(本文のテーマを踏襲しつつも尋ねられた内容に対し、自分の考え、意見を答える。近年、出題する学校が増えている。)
B類推型(尋ねられた内容に対して、本文をよく精読し、答えを推し量り、おおむね自分の言葉で答える。豊富な語彙力、的確な言葉選び、文章構成力が必要。)

 上記の3種類ありますが、ここでは最もメジャーな@引用型の記述問題の対処法について述べます。基本的には本文の内容を理解できており、記述を書く時間を捻出できれば、記述問題に対処できます。“難しそう”“自分には書けない”という先入観、思い込みは捨てましょう。
 
 引用型の記述問題ですので、まずは引用する箇所を見つけなければいけません。必要な情報を調べ、探し出すことを、「検索」と言います。「検索」すれば解ける好例として、2008年の滝中学の説明文の問題を紹介します。さすがに本文までは載せることができないので、「検索」のプロセスとして、大まかなイメージだけでも持っていただければ結構です。

 「江戸時代の建物について、筆者は大工の仕事の変化をどのように述べていますか。本文中の具体的な例をあげて50字以上60字以内で説明しなさい」という問題が出題されました。

 まず、本文中から、「江戸時代の建物」について書かれてある箇所を検索し、特定する。
          ↓
 「具体的な例をあげて」と条件がついているので、江戸時代の建物について書いてある本文中から具体的なモノの名前を検索し、特定する。
          ↓
 「変化」を答える問題なので、「以前と比べてこんなふうになった」旨のことが書いてある箇所、表現を検索し、特定する。

 こうして、どんどん検索、特定をする作業をしていくと、余分なものがそぎ落とされ、情報が集まってきます。情報収集ができた段階で、簡単な記述問題だったら文末を加工して「〜こと。」「〜ため。」とつけ加えてやれば、答えの完成です。難しい記述問題なら、情報収集のあと、さらに、整理することが必要になりますが、記述が書けなくて困っている受験生はまずは「検索」し、情報収集から始めてみてはどうでしょうか。

 「検索」は、記述問題を解く上で、大事なキーワードですが、もう一つ大事なのが、「簡略化」です。記述問題の中には、「検索」しづらいものがあります。その時に「簡略化」は役に立ちます。単純に考えてみるのです。“要するに、この問題は何を尋ねているのか” “――線部の登場人物の気持ちを一言で表すと、どうなるか。なぜ、そんな気持ちになったのか”と考えるだけで、ずいぶんと書きやすいものになります。

 記述問題というのは、“さあ、書こう”と思っても、書けるものではありません。
 情報を「検索」すること。「簡略化」することが、記述を書く上での第一歩になります。
 

 ちなみに、記述問題の採点方法ですが、どこの塾でも、おおむね下記の減点法で採点されています。例えば、記述の答えとして引用すべき必要な表現が本文中に2箇所あるとして、その2箇所とも引用し、問題に対応した適切な答え方(文末表現など)をしており、表現上おかしな点(主語がない、誤字脱字がある、など)がなければ○がつきます。
 引用すべき2箇所のうち、1箇所しか書いてないと減点、文末表現が違っていれば、さらに減点、誤字脱字があれば、さらに減点となります。



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